カナダでわしも考える

齢54歳 カナダのオンタリオ州ペンブロークでカレッジに入って大工になろうとしています。ラーメン忘れた訳ではないけど。

COVID-19 新型インフルエンザ等対策特別措置法における緊急事態宣言を考える

  4月5日(日)世界では新型コロナ累計感染者が1,273,794人 死者が69,419人 カナダでは感染者累計15,512人 入院患者数 690人 重症者数 202名 死者280名 日本は 累計感染者数 3,654人 入院患者数 2,617人 重症者数 70名 死者85名となっています。

  島の状況は本日も新規感染者はおらずデータはアップデートされていないので、現在の状況は累計感染者数 22名 累計PCR検査陰性人数 982名 検査結果待ち 264人 快復人数 6名という状況です。

 日本では緊急事態宣言の準備をはじめているのだとか、その準備として専門家等から広く意見をまとめている所だそうです。先日から緊急事態宣言(≠ロックダウン)について日頃から日本政府がどのように考えていたのか知りたくて政府の発行物を片っ端から探してみました。2012年4月27日には新型インフルエンザ等対策特別措置法が成立し、1年後の2013年4月13日には施行されていました。これは2009年から2010年にかけて発生した新型インフルエンザへの対応で混乱した事を踏まえて、当時の野田一次改造内閣で成立させた法律です。因みにこの時は民主党公明党等の賛成多数で可決しました。この時は共産党社民党は反対。自民党は欠席でした。そしてこの法律の施行時は第2次安倍内閣となっていました。

 当然その時から新型インフルエンザ等対策特別室が作られ、そこでは、新型インフルエンザが発生した場合に備えて様々な対策検討や訓練が行われていた模様です。いわば日本では今回の新型コロナにどうやって対応するか7年の歳月をかけて検討が続けられていた訳です。(自民党が欠席した法律でできた新型インフルエンザ等対策特別室にきちんと人材とお金がまわり)、この対策室が閑職でない事を祈りつつ資料を読んでいる最中なので、後ほど気が付いた事を報告します。

 新型インフルエンザ等対策特別措置法での有識者会議での新型インフルエンザ等緊急事態宣言について 【法第32条】という項目では

政府対策本部長は、国民の生命及び健康に著しく重大な被害を与えるおそれがあるもの
新型インフルエンザ等が国内で発生し、当該疾病の全国的かつ急速なまん延により国民生活及び国民経済に甚大な影響を及ぼすおそれがある事態が発生したと認めるときは、基本的対処方針等諮問委員会の意見を聴いて、 「新型インフルエンザ等緊急事態宣言」を行う。

新型インフルエンザ等緊急事態宣言の機能>

新型インフルエンザ等緊急事態措置(※)を講じなければ、医療提供の限界を超えて
しまい、国民の生命・健康を保護できず、社会混乱を招いてしまうおそれが生じるよう
な事態であることを、国民に分かりやすく周知するためのツール。
② 個別の緊急事態措置を行うための第一のトリガー(新型インフルエンザ等緊急事態
措置は、緊急事態宣言の対象期間・区域において、それぞれ個別の根拠条文に従い
運用を判断。)。

(※)新型インフルエンザ等緊急事態措置

① 外出自粛要請、興行場、催物等の制限等の要請・指示(潜伏期間、治癒するまでの期間等を考慮)
② 住民に対する予防接種の実施(国による必要な財政負担) ③ 医療提供体制の確保(臨時の医療施設等)
④ 緊急物資の運送の要請・指示 ⑤ 政令で定める特定物資の売渡しの要請・収用
⑥ 埋葬・火葬の特例 ⑦ 生活関連物資等の価格の安定(国民生活安定緊急措置法等の的確な運用)
⑧ 行政上の申請期限の延長等 ⑨ 政府関係金融機関等による融資 等

となっています。とりあえず緊急事態宣言については法律に基づいて粛々と進められていると思いたいですが、この内容なら、もっと前に宣言しても良かったのでは?専門家がまだ早いって言うたんかな。そしてもうひとつ2009年の新型インフルエンザの対応は自民党麻生内閣時に発生し、当初は今回の新型コロナウィルスと同様に指定感染症の扱いで対応されていたのが、2009年6月に方針が変更され、通常の季節インフルエンザと同様の扱いになり、7月から感染者数の全数把握を中止し、クラスタサーベイランスに移行し、その後政権が交代し、鳩山内閣となった経緯があります。もしこの時にしっかりデータをとっておけば日本での感染拡大はどのような形で進むのかのケーススタディーができていたのにと悔やまれます。今回の後手後手にまわっていると思われる状況も、こういったケーススタディー不足が否めない可能性もあるのかな。もし当時の野田内閣でこの時の混乱の経緯、せっかくのケーススタディーができなかった事を鑑みての法整備であったのであれば、当時の官僚も今現在いるであろうから、その重要性は十分に理解されているので、後手後手ではなく粛々と進めていると思いたいし、適格に新型コロナに対応されているのだと思いたい。それは今後が証明するであろうし、他国をみていても人口1億人以上の国で死者85名というのはやはり奇跡的な少なさであろうかと思います。